ブルースを基本としたスタイルで日本でもファンの多いケニー・バレルが、同じくブルースを最も得意とするスタンレイ・タレンタインを迎え、当時流行だったコンガを加えたクインテットで展開するラテン・アンド・ブルース・テイストのジャズ。玄人筋に評価の高いビル・イングリッシュ(ds)の参加もこの作品の価値を高めている。“Mule”でバレット、“Midnight Blue”でタレンタイン、“Ge baby Ain’t I Good To You”で両方が抜ける。“SoulLament”は,ソロ・ギターでの演奏。同時代に出現したウエス・モンゴメリーが、オクターブ奏法を前面に押し出したスピード感を持ち味としたのに対して、バレルは持ち味のブルース・フィーリングを推し進めた。その意味では本作はバレルにとって最もバレルらしい作品の一枚といえるだろう。