Winner(勝利者)

メダル無き勝利者

1984年、ロサンジェルスオリンピックで初めて正式種目となった、女子マラソン。その記念すべき第一回目のレースは、見ていた人々に大きな感動を与えた。
アメリカの選手がトップでゴールに入ります。遅れること約20分、スタジアムにどよめきが起こりました。それはひとりの選手が、まるで夢遊病者のようにふらふらになりながら、入って来たからです。彼女の名前はガブリエラ・アンデルセン、スイスの選手です。誰が見ても熱中症にかかっていることがわかりました。
彼女はゴールテープを切りたいと、さかんにアピールします。トラックサイドのドクターも彼女を見て、汗が出ているので大丈夫だろうと判断し、走ることを許可しました。スタジアムの大歓声は彼女を後押しし、そして感動のゴールを切りました。マラソンは人生に例えられます。レースを走る者が全員一位になれるわけではありません。その長い道のりにはいろいろなことが起こります。順調に見えて、思わぬアクシデントが襲うこともあります。ひとりひとりに自分のレースがあり、戦いがあり、彼女はそれをみごとに走り切った。

しかし、真似しないでください。熱中症でくたばってしまいます。強靭な精神は強靭な身体に宿ると言われている。彼女がゴール出来たのは日頃から鍛えた強靭な身体能力が備わっていたからでしょう。先ずは身体を鍛えましょう。